30歳男性。
草野球でボールを投げた瞬間に激痛が走りうずくまったそうです。
↓ 来院時の様子
そうです。これが投球骨折です。
私は子供のころ、野球をやっていたのですが、
一学年上のピッチャーが
試合中にボールを投げた瞬間にうずくまったのです。
大人も子供も何事かと騒然となりました。
そのままその先輩のピッチャーは病院に行くことになりました。
後日、話を聞くとどうやら骨折をしていたそうです。
そのころはどこかにぶつけたわけでもないのに骨って折れるのか??
と思ったのを覚えています。
そして今回、生涯二人目の投球骨折に出会いました。。
上の写真を見る限りではこれで骨折??
なんて思うかもしれませんが、
症状は、患部を触ると激痛。ほんとに激痛です。
そして反対の腕と比べると明らかに太い。腫れています。
また痛くて全く動かせません。
まあ投球骨折で間違いないなぁ。。って感じでした。
↓ レントゲン結果
正面像 側面像
ボッキリです。。
成書には
上腕骨骨幹部骨折
という骨折(二の腕の骨の中央辺りの骨折)の分類の中の、
投球骨折
筋力作用による捻転骨折(投球骨折・腕相撲骨折)が、まれに発生する。
らせん状骨折、斜骨折になりやすい。
とあります。
今回はまさにらせん状骨折です。
これは保存治療での管理が難しいため、オペをするために大きな病院に
行ってもらいました。
この業界に入って15年くらい経ちますが、その中では初めての遭遇でした。
まあ滅多にお目にかかれない骨折の一つです。
骨折は「ぶつけるだけ」が原因ではないのです。
もう一つぶつけなくても折れる有名な骨折がありますが、
それはいい症例が見つかったらまたご紹介します。