13歳男性 中学生
主訴)左の小指が痛い
原因)サッカーで相手と接触して小指が引っかかって痛めた。
症状)中節骨に圧痛++
腫れ+
内出血・熱感−
屈曲時痛++

あなたの診断は?
骨の圧痛が明らかであったので折れているだろうなぁという感じでした。
レントゲン結果は

やはり左第5指中節骨骨折でした。
第5指の伸展位でのアルフェンス包帯固定を2から3週間。と説明してこの日は終了しました。
それから5日ほどして再度レントゲンを撮りました。

明らかに転移していました。
そのため整復操作(抹消牽引)を行ったところ、大きめの礫音があったので整復が成功したと思ったのですが、レントゲンを撮るとやはりずれていました。
そこで屈曲角度を過屈曲にして固定することで整復姿勢を維持できることから過屈曲の肢位での固定に変更しました。

しかしこの固定肢位は拘縮を伴うことも多いのでご両親に相談しました。
1過屈曲での固定はのちに伸展制限が起こる可能性が高いこと
2もしそれらをどうしても回避したいのであれば手術の方がいいこと
でいろいろなことを確認した上で保存治療を選択しました。
それから1週間後のレントゲン写真

問題ない感じ。どれだけ拘縮しているかなぁ。。
整復から3週間目のレントゲン写真

多少の背屈転移は残るものの見た目では問題ない感じになりました。
そして拘縮もほとんどなく固定を除去して5日くらいで完全屈曲が可能になりました。
今回は中学生という若さがあったので拘縮はほとんど起こさないで、治癒しました。
でも大人では拘縮することはよくあることなので、固定期間とその後のリハビリは慎重に行うことが必要です。
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