せんじつ、15歳の中学3年生の女の子が、胸の辺りが「チクチク痛い」ときがあります。と言って来院しました。
胸がチクチク痛いと言えば?
まず疑うのは帯状疱疹です。
そこで今回は。
子供の帯状疱疹について
概要
- 水疱瘡(みずぼうそう)になったことがある人は、大人でも子供でも年齢に関係なく誰でも帯状疱疹に発症する恐れがあります。(一般的には50歳以上に多いと言われています)
- 水疱瘡のウイルスは、水疱瘡が治った後も、消滅せずに体内に潜伏し続けます。そして何らかの原因で免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが活動を始め、帯状に発疹が出るのです。
- 子供の帯状疱疹は大人に比べると軽症の場合が多く、あまり痛みやかゆみを感じない人も多いそうです。
そのため帯状疱疹後神経痛になる人も少ないそうです。
症状
チクチク・ピリピリした痛みやかゆみ(発熱する人もいる)を感じた後に、発疹が出てきて水ぶくれに。
↓
自然に破けてかさぶたになり、その後剥がれ落ちて治癒。
(発症から10日~2週間くらいで治癒)
出現する場所
- 胸~背中
- 腹~背中
- 頭~顔面
- 首~腕
- 下半身
神経の走行に沿って発疹が出現するので、つまりはどこにでも起こります。
しかし体の右半身か左半身のどちらかにしか出現しません。
ただ顔面に出現すると、顔面神経麻痺・髄膜炎・脳炎・結膜炎・角膜炎などになる恐れが高まるため、より注意が必要です。
原因
大人も子供と同じで、疲れやストレスにより免疫力が低下している。
他の病気を患っていたり、手術の後で免疫力が低下している。
治療
- 抗ウイルス薬
- 痛みが強いなら神経ブロック注射
- とにかく早期治療がカギ(発症後1か月以内でないと帯状疱疹後神経痛になり一生痛みと付き合っていくことになることも。)
- 安静にして疲れ・ストレスを取り除く
うつる?
- 水疱瘡・帯状疱疹にかかったことのある人にはうつりません
- 水疱瘡の予防接種を2回打った人にはほぼうつりません
- 健康は大人にはほぼうつりません
- ワクチンを打っていない乳幼児にはうつる
- 接触感染・まれに空気感染(水疱を触ったり、喋った際に出た唾液、水疱が破けてウイルスが飛び出すことで空気感染もあるそうです)
間違いやすい疾患
- かぶれ
- 虫刺され
- とびひ
- ヘルペス
(帯状疱疹は右か左半身のどちらかにしか出現しないことで判断してください)
だから子供だから帯状疱疹にならないということはありません。
2歳で水疱瘡になり、4歳で帯状疱疹になったという方もいます。
昔はあまり子供の帯状疱疹は見られなかったそうですが、年々増えてきているそうです。子供世代もストレス社会が蔓延していることが引き金なのかもしれないですね。
ちなみに今回来院された子は発疹などは出ていませんでした。
ただ母親が言うには受験生のため少し家でナーバスな感じだったそうです。
後日様子を伺うと、数日後には症状がなくなったらしいです。
結局のところ原因は分かりませんが、ストレスが引き金だったように思います。
そしてひどくなれば帯状疱疹に発展していたのかもしれません。
子供も大人も、最近では動物も同じような病気にかかる時代のようです。。